「ニューズレター フロム ザ 自由労働者連合 2019年夏号(19号)」発行

「 ニューズレター フロム ザ 自由労働者連合 2019年夏号(19号)」発行のお知らせです。

今号では、
★有象無象メーデー声明
★斎藤緑雨 ― 近代日本の自由人たち(4)
★台湾「火焼島送り」をめぐる国会論戦
★朴烈義士記念館を訪ねて
★釜ヶ崎の労働センター閉鎖に対する抗議声明
★南島通信(2)トカラ列島~とり残された「みちの島」
★アナキズム読書会報告
★活動日誌
などの記事を掲載しております。
(1部300円)

19号ブログ用

ご意見やご要望、購読のご希望はぜひ下記までご連絡をお願いいたします。
Mail:free_workers_federation@riseup.net
自由労働者連合(Free Workers’ Federation)

陛下さん、あんたの腹ん中を見せてみい!   ヒロシマが問う、ヒロシマを問う、「戦争と平和とアナーキー」

「陛下さん、あんたの腹からのことをここでしゃべってみい。あっそういうて帽子を振っとるだけじゃあ、うちゃあ納得できん。おれが納得するまであんたの腹からのことをしゃべってみい!あんたの腹ん中を見せてみい!」
流川のスタンド「六歌仙」のママ高橋広子さん

1975年10月31日、皇居石橋の間で行われた日本記者クラブ記者会見で中国放送の秋信利彦の「……戦争終結に当たって、原爆投下の事実を陛下はどうお受け止めになりましたでしょうか、おうかがいしたいと思います」の質問に対して、ヒロヒト天皇は、「原子爆弾が投下されたことに対しては遺憾に思っていますが、こういう戦争中であることですから、どうも、広島市民に対しては気の毒であるが、やむを得ないことと私は思っています」 とこたえました。

戦争中の言い方をするなら、聖戦であり、皇戦だった、まさに天皇の戦争はアメリカの原爆という最悪なことになるのですが、ヒロヒトは、それは戦争中のことだからやむを得ない、と済ましたのです。

これは、『ザ・タイムズ』の中村康二記者の、「……また陛下は、いわゆる戦争責任について、どのようにお考えになっておられますか、おうかがいいたします」の質問とそれに答えるヒロヒトの、「そういう言葉のアヤについては、私はそういう文学方面はあまり研究もしてないので、よくわかりませんから、そういう問題についてはお答えができかねます」の発言を受けての質問ですが、ヒロヒトの全く他人事のような答えに中村も秋信も返す言葉に窮したにちがいありません。冒頭の広子ママに言わせれば「あんたの腹ん中を見て、ようわかったわあ!」ということでしょう。

後に秋信は中外日報の取材で、「広島の記者として、もう少し別の言葉で質問するつもりだったが、あのような表現になった。日本の記者が、被爆に触れないわけにはいかない。原爆をタブーにしてはならないという思いだった」2010年10月2日 中外日報(社説)と答えています。

誤解をおそれずに言うなら、中村も秋信も程度の差はあっても、まぎれもなく少国民として育った世代の者たちです。大人たちから国父、天皇のために死ぬことこそあるべき美として教え込まれた「赤子」です。

神国の日本が戦争に敗けることなどありえず、もしそのようなことになれば、責任を取って大将の天皇は自決するだろうと教え込まれた世代です。ここに菊のタブーなどありません。中村も秋信も客観的事実に基づいて質問しているだけなのですから。

しかし、その国父がこのように答えた時、中村や秋信はどう態度をとればいいのでしょうか。いや、そもそもそのような国父と赤子、思いきって言えば、そんな親分-子分の関係自体が人工的な虚構なのだと言われれば、それはそうなのですが、しかし、それでは天皇を神として、国父として信じて死んだ者たちをどう考えればいいのでしょうか。そんな嘘八百を信じて死んだ方が悪い!と誰が言えるのですか。しかも、その虚構の関係は現憲法の第1条、「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であってこの地位は主権の在する日本国民の総意に基づく」によって既定されているではありませんか。

ヒロヒトの血も涙もない無責任な態度で広島市内の老人ホームに行き、そこの老人たちは「陛下さまが来られて、これで思い残すことがありません」と感激したことを想起しなければなりません。この関係はすでに言葉を越えていると言わざるをえません。

しかし、同時にヒロヒトの発言が、広島・長崎の被爆者たちが市民社会から「いつまで原爆のことを言っているのか!」と嫌悪されたことも想起するならば、別に驚くようなことでもなかったのです。実際、この発言で大きな騒ぎも起きませんでしたし、多くの被爆者たちが沈黙を選んだのですから。

このやりとりの後、司会の渡辺誠毅(日本記者クラブ理事長)の機転によってヒロヒトの健康の秘訣や好きなテレビ番組の話で記者会見場は爆笑会見になったのですが、それはまさに戦後の市民社会の縮図に他ならなかったのです。

秋信は1960年代から中国新聞社の大牟田記者とともに被爆者援護問題を取材し続け、その一生涯を原爆投下後の広島市内で胎内被爆して産まれた小頭症児問題の取り組みに費やしました。原爆投下、つまり被爆者のことは戦争中のことだからやむを得ないとヒロヒトは切り捨てましたが、小頭症児とその親たちは被爆者援護法制定を目指した反核平和運動からも置き去りにされたのです。国が小頭症を原爆によるものとそれらしい病名をつけてしぶしぶ認定したのは1960年代半ばになってからのことです。

敗戦直後のGHQによるプレスコードの中ではじまった被爆者たちの文学表現活動は1954年の第五福竜丸被曝を機に原水爆禁止、被爆者救護運動の中で全面開花していきました。

しかし、戦後の護憲平和運動のトップランナーに早くも黄昏が迫っていました。60年安保に対してどう態度を決めるのかをめぐって運動は分裂し、さらには米ソの核実験に対してアメリカの核実験は反対だが、ソ連の核実験は容認するという混迷に陥りました。

そのように時代状況を見るなら秋信の質問は思いつきで言ったものではないでしょう。それは1965年6月15日、原爆症による乳癌で死んだ正田篠江の、 「天皇家の人々が、テニスやスモウや野球をごらんになるばかりではなく、原水爆禁止運動に力を入れてほしいのに、されないので、はぐゆうて、はぐゆうてなりません」の叫びであり、八島藤子(栗原貞子)の、「養老院のとしよりにも、戦争で親を失った孤児たちにも、やさしくほほえんで「お大切にね」……少し猫背のおやさしい人間天皇さま。……けれども東京から広島へ小豆色の宮廷自動車数台を特別輸送させ、県はピストルと棍棒の警官隊の警備費何百万を計上し……」と、その欺瞞性の弾劾に繋がるものであり、広島の記者として被爆者たちがケロイドを隠すために夏でも長袖を着て市民から白眼視にさらされていることや多くの被爆二世の若者たちが差別され自殺に追い込まれていること、そして何よりも中国放送の目の前に原爆スラムが戦後30年経ってもまだ残っていることの告発に他ならなかったのです。これが、天皇をありがたがって戦争をした結果ではありませんか!

しかし、これは単に1975年の記者会見場におけるエピソードではありません。戦争主義者安倍は日本が戦争ができる国に向けて突き進んでいます。そして、今年はナルヒトが新たな天皇として君臨しました。ナルヒトが水問題やジェンダーに関心を持ち、アキヒト以上に良い天皇であっても、わたしたちは騙されてはなりません。天皇をありがたがった結果が戦争であり原爆投下だったのですから。わたしたちは今こそ声を挙げなければなりません!

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★スケジュール★

◆プレイベント「軍都広島フィールドワーク」
2019年8月5日(月)昼12時、広島駅前集合(黒旗が目印)

◆8・6当日のイベント
2019年8月6日(火)
朝07時 平和公園原爆ドーム周辺でビラ撒きと抗議行動(黒旗が目印)
10時 原爆ドーム前よりデモ出発
13~17時 8・6集会(広島市西区文化センターの工作室)
※会場は横川駅のそばにあります。
※12時半より会場設営。
※集会後、懇親会を予定しております。

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8・6集会では、「アナキズムをもっとおもしろくしよう!」というテーマで、「いま、これがおもしろいと思っている」「これが問題だ」といった話題を数名の報告者から提供してもらって意見交流したり、参加者同士の交流をするといった企画を予定しています。パンフレット、ビラ、ブログやSNSでの活動、あるいは、ファッションやアートに関わる活動、労働、平和、教育、衣食住など様々な活動や意見を持ち寄っていただき、話し合いにご参加ください。

また、できれば事前に話題などのメッセージをメールアドレスまでお送りください。まとめたものを当日に配布したく思います。日程が合わず、参加できない方もメッセージをお送りください。集会やテーマ等の詳細については、関西アナーキズム研究会のブログ
kansaianarchismstudies.blogspot.com/
をご参照ください。

皆さんと広島でお会いできることを楽しみにしています。

8・6広島集会実行委員会
呼びかけ:広島無政府主義研究会
連絡先:joh.most@gmail

5・1有象無象のレッツゴー★メーデーに対する曽根崎署の暴力行為を弾劾する声明

私たちは実行委を結成し、5月1日、新天皇ナルヒト即位を真っ向から弾劾し、天皇制国家解体を掲げて「有象無象のレッツゴー★メーデー集会」を開催し、19時より大淀区民センターから扇町公園までのデモを敢行した。

その際、解散地点において警備の警察官から我々の仲間に対してあからさまな暴力行為が行われ、数名の負傷者を出したことに対し、担当した曽根崎署に対して以下強く抗議するとともに、声明を発表する。

私たちは6時から屋内で集会を行い、7時からデモに移った。デモコースは会場から扇町公園南西角(扇町公園テント村跡地)であったが、デモに対する警察権力の威圧は当初から激しく、人や車の往来の多い天神橋筋に出るや否やその牙を剥いた。
大淀署警備課はデモ隊先頭の横断幕の隊列とデモ隊右側隊列に絶えずプレッシャーをかけて、デモ隊の進行を妨害した。隊列先頭の進行を妨害しながら、後ろの警察車両の警備責任者は「公安条例違反云々」をスピーカーで町中に響かせ、街行く市民から我々を意図的な隔絶を画策した。

しかし、そうした中で「有象無象のレッツゴー★メーデー」に結集した仲間たちは横断幕を先頭にして、太鼓を打ちならし、プラカード、黒旗、赤黒旗、組合ののぼり旗を掲げ、「はんて~ん、レッツゴー」「レッツゴー、レッツゴー」「天皇制解体」「天皇制コスパ悪いぞ、税金かえせ」「商店街は日の丸おろせ」などのシュプレヒコールにあわせて、声を上げ続けた。そして野次と罵倒と警察の暴力的威圧に対して天皇制解体の声が響かせ、黒い横断幕や黒旗・赤黒旗が翻り、ナルヒト即位の夜の天神橋筋には騒然たる空気が渦巻き、新天皇即位を国民全員で奉祝させたい国家の意図を徹底的に粉砕した。

とりわけ天神橋六丁目から警備を引き継いだ曽根崎署(石崎警備課長)はデモへの暴力的威圧を増し、中でも我々に敵愾心を剥き出しにする大柄の署員Kは此処彼処でデモ参加者を押したり引っ張り回すなどの挑発を繰り返された。そうした目に余る警察の言動に対し、解散地点の公園に入る手前で警察の圧迫を跳ね返すべくデモ参加者は密集して「警察帰れ」「天皇制解体」「国家解体」のコールを響かせた。その時、先の横暴な署員Kはデモ隊に割り込み力ずくで仲間を突飛ばすという事態が生じ、この暴力行為により、仲間数名が転倒し、内2名の仲間の脚を打撲や捻挫により立ち上がれなかった。私たちに対し、なんらか個人的な不満が警察官にあったとしても、公僕としてデモ隊が車道を支障なく歩くことを保障することがその任務のすべてであり、にもかかわらずその鬱憤を晴らすがごとくの警察官による暴力的なデモ規制は、言語道断であり許されない。

すぐさま参加者は警察に対して抗議を開始し、その警備責任と謝罪を要求した。怒号と激しい追及の中、私たちは突き飛ばした署員Kに名を名乗らせ、警備責任者の石崎警備課長に対し、負傷した仲間に帽子を脱ぎ、頭を下げて謝罪させたが、こうした警察官による暴力行為が行われた事実を明らかにすると共に、曽根崎署に対し、以下強く抗議する。

1)曽根崎署は、今回の暴力行為に対し、正式に謝罪せよ!
2)曽根崎署は、入院・加療した仲間への治療費を弁償しろ!
3)曽根崎署は、二度とデモ隊に対し妨害をするな!

2019年5月22日
有象無象のレッツゴー★メーデー実行委員会

※その後、怪我の酷い1名の仲間は救急搬送され、「左足関節捻挫、左足下腿打撲傷」で約7日間の加療の診断を受け、現在も痛みを抱えながら日々の現場に立ち続けている。また、肋骨に痛みを抱えている仲間もいる。

このように把握しているだけでも3名の仲間を負傷させた曽根崎署を我々は断じて許さないし、新天皇・トランプ会談、大嘗祭、祝賀パレードなど引き続く天皇制強化の猛威に対して一歩も退くことはない。メーデーに新天皇即位をぶつけるなど労働者階級をナメきったアベ政権を打倒し、差別の元凶=天皇制国家の廃絶にむけて闘いをさらに前進させていくだろう。曽根崎署の暴力行為弾劾!非国民上等!国民統合粉砕!共に闘おう!

また、集会実行委員会としてはカンパも呼びかけています。

カンパ送り先:郵便口座番号 00960-6-145783 加入者名 自由労働者連合
振替用紙通信欄に「レッツゴーメーデー」とご明記ください。

釜ヶ崎の労働センター閉鎖に対する抗議声明

わたしたちは今、あなたたちと共にあります!
―釜ヶ崎の労働センター閉鎖に対する抗議声明―

3月31日、大阪府はかねてから提示していた釜ヶ崎の労働センター(あいりん労働公共職業安定所)の閉鎖にふみきりました。大阪府曰く、労働センターの老朽化、耐震性の問題と言うことですが、とりあえず、大阪府のそんな言い分はどうでもいいことです。大阪府は物件家屋の心配よりもセンター周辺で生活している日雇労働者、野宿者たちのことを心配しろ!追い出しをやめろ!これまで、その労働行政としての業務を公益財団法人の西成労働福祉センターに肩代わりさせ、職安の施設内で手配師、人夫出しの手合いの輩に丸投げしてピンハネを容認してきた職安が、いったい何を今さら思い出したかのように建物の耐震性云々などと利いた風なことを言っているのでしょうか。1970年の開設以来50年間、真っ当な職安業務をやってこなかった職安です。一度も職安として求人を出したことのない職安です。アブレ賃の受付と支給以外は16番窓口しか開いていない職安です。これのどこが職安なのでしょうか。全く悪い冗談としかおもえません。今さら物件家屋がどうなろうと大した関心事ではないでしょう。

しかし、どうでも良くないことは、この労働センター閉鎖が『平成』から『令和』に変わる天皇代替わりのワレもワレもと何にワクワクしているのかわからない社会状況の中で起きたということです。これは明らかに『平成』から『令和』、アキヒトからナルヒトへの天皇代替わりの中で起きた釜ヶ崎の日雇労働者、野宿者という社会の『異端者』に対する暴力であると銘記する必要があります。なぜ、市民社会が3月31日、『平成』さいごに向けて何かにとりつかれたようにカウントダウンを数え、翌日の新元号発表を前に沸き立っている時に日雇労働者、野宿者たちは生活を破壊されなければならなかったのでしょうか。いえ、釜ヶ崎の日雇労働者、野宿者たちにも『平成』さいごをカウントダウンして新元号発表に胸をワクワクさせろ!などとは言ってませんし、誰もそんなことは言ってません。あるいは市民社会と日雇労働者、野宿者たちの状況を対比してその不公平さを強調しようとも思いません。言いたいことは、労働センター閉鎖策動が天皇代替わりの中で起きた釜ヶ崎の日雇労働者、野宿者という社会の『異端者』に対して、ナショナルなものにそぐわぬ者として、どういう形であれそこからいなくなることで新元号発表、新天皇に対する祝賀を強いたということです。

そして、見逃してはならないことは、この労働センター閉鎖策動が『旧優性保護法』のもとで断種を強いられた障害者たちが救済対象として社会的にクローズアップされている同時代に起きたということです。言うまでもなく差別の解消は同時並行でなければなりません。ある被差別集団は救済対象にするが、こっちの被差別集団は差別に晒してもいいと言う理屈はありません。裏を返せば、こっちの被差別集団を差別や暴力に晒していると言うことは救済対象にした被差別集団もまた、善意による差別に晒していると言うことです。

3月31日、この日もいつもどおりに朝5時にセンターのシャッターは開き、いつもどおりに夕方6時にはシャッターはおりる予定でした。もっと正確に言うなら釜ヶ崎における時間とは朝5時になったからセンターのシャッターが開くのではなく、センターのシャッターが開けば朝5時であり、夕方6時になったからシャッターがおりるのでなく、シャッターがおりれば夕方6時なのです。炊き出しであれシェルターであれ、人々が並べばその時間です。それがここでのいつもの日常のひとこまであり、端からみれば同じにしか見えない、こっそり取っ替えてみたところでわかりはしない擬人化された空瓶や石やペットボトルの列こそがここニシナリの時間が何の滞りもなく動いていることの何よりの証左に他なりません。

しかし、いつもと違うとすれば3月31日を以ってセンターは閉鎖されるということでした。当然、センターを管理する大阪府も、かねてからセンター閉鎖反対!をぶちあげている諸団体・諸雑派による多少の騒ぎは想定しているとは言え、おおむねセンターの管理業務には言うほどの支障があるとは考えられないし、予定どおりにセンターを閉鎖できると言ったところでしょうか。かりに多少の騒ぎが起きたとしても、国家の中にある別の国家とも言うべき、様々な立場に基づいて、『釜ヶ崎』、『ニシナリ』、『あいりん地区』と呼ばれるこの地域の現状には何の変化もおよぼさない、その騒ぎでさえもここでは日常のひとこまでしかありません。しかし、それでも社会の虚偽は打たなければなりませんし、閧の声をあげなければなりません。そのような思いを持って結集したセンター閉鎖に反対する約300人の人々によって大阪府の目論見は打ち砕かれたのです。大阪府は4月1日未明に、「今の状態ではセンターのシャッターは閉められない。今日はシャッターを閉めません」と言って引き上げて行きましたが、その背景には大阪都構想を掲げたW選挙期間中だったことやG20大阪サミットを前にして思い切った動きがとれなかったことがあったのかも知れません。しかし、いずれにしても、大阪府のセンター閉鎖策動の目算があまりにも甘すぎたことは否定できないでしょう。

この日を機にセンターは24時間開放の自主管理になりました。このこと自体が特筆すべきことなのですが、それよりもまして、まずセンター周辺で生活している日雇労働者、野宿者たちとはいったいどのような存在であるのか、あらためてわたしたちは思い知らされることになったのです。どこからか騒ぎを聞きつけて大きなテレビカメラをかついでアタフタアタフタやって来たテレビ局の取材に高齢の野宿者が「ワシら、ここを追い出されたら行くとこないんや!」と言います。この人にとっては、立んぼ人生あじなもの、ここは天国、釜ヶ崎だったのかも知れません。しかし、それがこの人だけではなくセンター周辺で100人以上が生活していることを目の当たりにすれば、ここはいったいどうなっているのかと言わざるをえません。テレビのニュースをみれば、この人たちの年金は?家族は?仕事は?生活保護は?日雇労働って何?と誰だってそう思うでしょう。しかし、その当たり前のことがここでは行政的に、国策として不完全にしか保障されていないのです。

資本主義を肯定するつもりはありませんが、誤解をおそれずに言うなら、その時代、その社会状況に見あった収奪があるはずです。手配師も人夫出し業者も所詮は口入れ稼業であり、仕事を斡旋した見返りにデズラの上前を掠めるケチな商いに過ぎません。そうだ!これは人身売買ではありませんか!こんな前近代的な業種が今も人材派遣業というひとつのビジネスとして社会に定着し、東北被災地もこれに頼らなければ復興も原発処理もできないのです。いったい日本列島のどこの公共職安が求人紹介を手合いの輩に丸投げしてピンハネを容認しているところがあるのでしょうか。さらにどこの地方自治体に結核発生を長年に渡って放置している知事がいるのでしょうか。そんな行政の長など聞いたことがありません。つまり、センター周辺で生活している日雇労働者、野宿者とは、まがりなりにも豪語している民主主義の法治国家であれば、当然ついてくるはずのありとあらゆる法律や施策から排除された、釜ヶ崎の本質的な問題であり、根源的な問題を体言化している者たちではありませんか。

にもかかわらず、いや、だからこそと言うべきですが、ここ釜ヶ崎では『違法』が『合法』とされ、それに異議を唱える者が『違法』として、『犯罪者』として何人もしょっぴかれて行きました。しかし、警察も裁判所もわたしたちの主張には何も答えることはありませんでした。これはもう言葉を越えています。4月24日、大阪府は大量の警察にガードされた中でセンターを閉鎖しました。吉村新大阪府知事はテレビでセンターが開放されている状態を違法だとコメントしましたが、いったいどうすればこんなことが言えるのでしょうか。よしそれが『違法状態』だと言うのなら、職安の施設内で堂々とピンハネしている手合いの輩を一度でも取り締まったことがありますか!未だに放置じゃないですか!

釜ヶ崎の状況が端からみれば明らかに『異常』なことですが、しかし、それはそのように感じた者の価値観であり、常識でしかありません。なぜなら手合いの輩を容認する『あいりん労働公共職業安定所』はここでもれっきとした職業安定所という公的な労働行政であり、わたしたちを弾圧する西成警察署はここでもれっきとした法の番人であり、警察としてその業務を果たしているにすぎないのです。それが今日も1日何事もなく終わること以外何も望むことはない釜ヶ崎でのいつもの日常のひとこまであり、『正常な状態』なのですから。だからこそ、わたしたちは閧の声を挙げなければならないのです。なぜなら権力によって一方的に『違法』を投げつけられセンターから追い出される形で暴力に晒されている人たちが現に目の前にいるからです!人が生きることに罪はない!と言わなければならないからです!

わたしたちは今現在、センター周辺で権力との緊張関係の中で生きている人たちを全面的に肯定します!わたしたちは今、あなたたちと共にあります!全ての人の生に心からの敬意と祝福をこめて!

2019年5月19日
釜ヶ崎パトロールの会
自由労働者連合
有象無象のレッツゴー★メーデー実行委員会

有象無象のレッツゴー★メーデー

行動提起!!
2019年5月1日(水)18時~
大阪市立大淀コミュニティセンター 第4会議室
18時~ 集会
19時~ デモ出発
アクセス http://bit.ly/2GPYe1b

主催:有象無象のレッツゴー★メーデー実行委員会
090-6677-8602
free_workers_federation@riseup.net

 

4月1日、政府は新元号を『令和』と発表しました。『令和』の『令』という漢字の意味合いの中に『~させる』、つまり、使役の意味が含まれていることを確認する時、新元号が発せられたこの日からはじまった、働き方改革、外国人労働者の受け入れと合わせて考えるなら、この『令和』とはあまりに露骨なものと言わざるをえません。そして、この新元号『令和』がスタートする5月1日に即位する新天皇と前日に退位するアキヒトのために10連休になることによって多くの人々から悲鳴があがっています。1ヶ月のうち10日も休みにされたら困る!生活ができない!
わたしたちは国家総動員法―1億総タコ部屋、飼い殺し体制が天皇のための戦争を支えたおぞましい歴史を想起しなければならないでしょう。わたしたちは古代中国王制を真似した時間の支配、つまり水金地火木土天海冥の宇宙さえも支配するという元号に反対します。人はどこに生まれるか、どのように生まれるかを選択することはできません。わたしたちはたまたまここに生まれたにすぎません。しかし、天皇家に第一子の男子にたまたま生まれたというだけで、なぜ時間を支配することまでゆるされるのでしょうか。明らかに理屈が通っていないにもかかわらず、わたしたちは一体何のために生活を壊されてまで新天皇の祝賀を祝わなければならないのでしょうか。よしそれがわたしたちの手も声も届かなければ足もとにも及ばないお上が決めたことであったとしても、それによって壊された現に今ここにある日々の暮らしを!削られた給料を!減らされた米びつの米を!誰が補償してくれるのですか!わたしたちは天皇のまんまんちゃんのために税金を払っているわけではない!頼みもしないのに勝手なことをするな!

天皇が生前退位をすると言えば、上へ下への大騒ぎとなりカレンダー業界が大混乱になる。新天皇の即位によってわたしたちの生活が破壊される。あらためて天皇制がわたしたちの実生活に合わない迷惑以外なにものでもないことを銘記しなければなりません。天皇主義者たちは一連の天皇行事を4月末から5月のはじめの連休に当てれば国民の生活に支障はないだろう、そうだ!区切りよく5月1日に即位式を行おうとでも思ったのでしょう。なるほど、天皇主義者たちは連休中にゴルフをしたり海外視察に行ったりと好き勝手なことができるでしょうが、働いても生活が落ち着かない状況、少なくとも10年前には考えられなかった子ども食堂が列島各地で2000ヶ所以上で運営されていること、さらに年金生活者が生活できなくなっている現在、一体どれだけの人々がゴールデンウィークを謳歌することができているのでしょうか。少なくともわたしたちはゴールデンウィークを謳歌できるような余裕はありません。ゴールデンウィークであっても働かなければならない人たちもいますし、
せいぜい近所のホームセンターやショッピングモールにでも行くか、あとは家で寝てるぐらいのことです。それだけなら日曜日と変わりはしません。あまりの忙しさと疲労困憊のために労働者の日である5・1のメーデーにさえ行けないのです。現金収入の日雇労働者や野宿者にすればゴールデンウィークは死活問題であり全くロクでもない時期でしかありません。これがわたしたちをとりまく状況とまで言うのは雑すぎますが、それでも言わせてもらうならばメーデーのはじまりが何であったか、19世紀末、1886年のシカゴで8時間労働を掲げてストライキに決起した労働者たちに対して5月4日、資本・権力はヘイマーケット広場で弾圧を行い4名の死刑を執行しました。このような血みどろの闘いの中から8時間労働は戦取された、労働者、思い切って言うならすべての人民にとって記念すべき日であることはまちがいないでしょう。

聞け万国の労働者 とどろきわたるメーデーの示威者に起こる足取りと未来をつくる閧の声

汝の部所を放棄せよ 汝の価値に目ざむべし 全一日の休業は社会の虚偽をうつものぞ

永き搾取に悩みたる 無産の民よ決起せよ 今や二十四時間の階級戦は来たりたり

起て労働者ふるい起て 奪いさられし生産を 正義の手もてとりかえせ 彼らの力何ものぞ

われらが歩武の先頭に 掲げられたる自由旗を 守れメーデー労働者 守れメーデー労働者

とりあえずメーデーに行けば、メーデーのはじまりが何であったかも言ってくれるし、お決まりのようにメーデー歌を参加者たちは放歌するでしょう。しかし、その内実は5月1日ではゴールデンウィークのじゃまになるとでも言わんばかりに、あろうことか東京の中央メーデーでは4月29日!に経団連のオエラ方を来賓に迎え、メーデー主催者が労働者の生活改善云々を訴える、今年も春の叙勲では受賞者として某労働組合会長はその多大なる功績が天皇によって讃えられる、無惨な催物と化しています。メーデー実行委がどこまで本気なのか、一体何と闘っているのか定かではありませんが、それでもまだ労働組合としてメーデーを闘っている気持ちぐらいはあるのでしょう。そして、交通費と弁当代で駆り出された各労働組合の組合員たちはビラやパンフレットを団扇がわりにしてパタパタ扇いだり、日除けに使いながら演説を聞いています。まったく何という気だるい気のぬけたメーデーでしょうか。方や大阪のメーデーではデモ行進の後に阪神デパートの屋上のビヤガーデンで交流会の案内をしていましたが、こんなことはメーデー実行委が言うようなことでしょうか。言うべきこと、やらなければならないことは会社側と一線ぎりぎりの攻防戦と闘っている少数の労働者たちの支援・共闘に駆けつけることではないでしょうか。しかし、戦後最大の階級決戦として闘わなければならなかったはずの『戦争法案』反対にストライキに決起した労働組合がわずかしかなかった、そして、天皇退位、新天皇即位に対してはほとんどの労働組合にとっては関心事でさえないこの状況は絶望的です。しかし、それでも社会の虚偽をうつために、よしそれで生活に支障が出ようともふるい起って全一日をかけるべき時があります!何度でも旗色を鮮明にした旗を高く掲げて翻えさせなければならない時がたしかにあるのです!

わたしたちは生活と仕事に追われてメーデーに行くこともできないあなたたちや「お前たちは労働者ではない!メーデーに来るな!帰れ!」とメーデー会場から追い払われたあなたたちに呼びかける!わたしたちはあなたたちの心の痛みです!わたしたちはあなたたちをいつまでも黙らせたままにはしない!そうだ!今こそふるい起たなければならないのだ!このご時勢に従ってあてもなくただ流されるだけの浮砂はすみやかに去れ!巖根は残る!闘う者たちはこの隊列に加われ!さいごの勝利は君の手にかかっている!プロレタリア国際連帯勝利!

「ニューズレター フロム ザ 自由労働者連合 2019年春号(18号)」発行

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★奥宮健之と車会党
★近代日本の自由人たち(3)― 添田唖蝉坊
 私は、黴(かび)にも花が咲く、といふことを唄ひたいのである。
★中野正剛の台湾原住民族同化政策論のまなざし
★天皇制との個人的な関わり
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表紙画像:横江嘉純 作
大杉栄のブロンズ首像

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★近代日本の自由人たち(2)―弁護士大安売! 山崎今朝弥
★北薩・長島 鹿児島の小さな島の大きな挑戦
 -川内原発30キロ圏内で始まった自然エネルギーの島づくり-
★近世無宿人対策と結びついた日帝植民地下の台湾先住民同化政策
★市民講座を拝聴して~連続講座 ロシア革命を考える
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